すぴか・六十路てくてく雑記帳

60を過ぎて人生も終盤。終活も視野に入れながら日々奮闘中

母が認知症になったおかげで親孝行できるようになりました

23日の日曜日、横浜のホテルをチェックアウトした後、電車に乗って母の施設へ。

認知症の母が入居して6年になります。

 

小さい頃から私はいつも母に怒られていました。

「あんたなんか世間で通用しない」と。

 

小学生の時から、日曜日に朝寝して8時過ぎに起きると母はもう口をきいてくれない。口をきいてもらうためには庭の草取りをしたり、何かお手伝いしている姿を見せないとダメなのです。

自分自身が優秀で働き者だった母には、私がとても生ぬるく見えたのでしょう。

自宅はくつろげる場所ではなく、子どもの頃から叱られないように常に張り詰めていた場所でした。

 

そんな厳しい母が認知症になって5年前に特別養護老人ホームへ。

私を怒ることがなくなり、私の名前も忘れてしまい、でも身内だったことはわかるのか、面会に行くと笑顔だけを向けてくれるようになりました。

ようやく怒られずに安心して親孝行することができるようになったことが切なくも嬉しい。

本当は子どもの頃からこんな笑顔を向けてほしかった。

 

「あんたなんか世間で通用しない」

 

この言葉は、ずっと私の心に重くのしかかり、自己肯定感の低い人間に育ちました。

 

心が徐々に開放されたのは、20代で結婚してからです。

いろいろな経験を積み、いろいろな人に肯定され、60代の今、ありのままの自分でのびのびと暮らせるようになりました。

きっと60代の今が一番幸せです。

 

そんな私の心の軌跡、書く勇気が出たらまた記せたら・・と思います。