きのう小林製薬の紅麹サプリメントによる死者が76人というニュースが流れました。
今までに発表されていた5人からはるかに大きな数字です。
若干コレステロールが高目ぐらいで普通に生活してきた方が、健康になろうとサプリメントを飲んだ結果、死に至るのは言葉にならないほどの悲劇です。
実は私も2006年に 漢方薬で死の一歩手前まで行きました。
私の場合も、キッカケは高血圧を改善しようと知り合いから紹介された漢方医に通い始めたところから始まります。
元々高脂血症と高血圧で主治医にかかって投薬を受けていましたが、それとは別に漢方なら安全だろうと漢方薬を処方してもらっていました。
漢方薬を飲み始めて3か月ぐらい、血圧がかなり下がって喜んでいたところ・・・
元々の主治医の定期採血検査で
「肝臓の数値が上がってきている。何かおかしい。」と主治医。
ASTという数値が50でした。(普通は10~40ぐらいのようです)
1カ月後の採血検査でさらに肝機能の数値は悪化しAST 76、ALT 125になっていました。
そして2か月後、何と
AST 772、ALT 1467
という4桁まで上がってしまい、夜に主治医から緊急の電話がかかってきました。
とても深刻な声で
「明日の朝一番に受診してください。大学病院に紹介状を書くので」と言われました。
私はいたって元気だったので、わけもわからず。。。
翌朝受診すると、すぐに紹介状を持って大学病院に行くようにと言われ、先生があまりに深刻な顔をなさっているので冗談のつもりで、
「私って死ぬんですか?」と聞くと
「わかりません」との返事。
まさかそんな返事が返ってくるとは思わず、ビックリしてしまい・・
そのまま大学病院に行くと大学病院で即刻入院と言われました。
看護師さん達も「こんな数値の患者さん、見たことがない」とアタフタ・・
大学病院で採血しなおしたら、さらに上がってALTが1600だか1800になっていたようです。
お医者様や医療関係者ならわかると思いますが、この数字は人間の出す数字じゃないぐらい酷い数字みたいで、入院の際、看護師さんが車椅子を持ってこられ
「すぴかさん、わかりますか~?」と意識確認。
「いや、全然大丈夫です。今朝も散歩してきました。病室まで普通に歩けます」
と返答。
肝機能の異常で入院したので、病棟は肝臓疾患の患者さんばかり。
(肝臓がんやC型肝炎などなど)
同部屋の方々が
「そんな数値、聞いたこともない。あなた、劇症肝炎って10人中7人死ぬのよ」
と言われてビビってしまいました。
私の場合、漢方薬が原因で肝臓の数値が上がったことがはっきりしたので、入院治療と言っても、漢方薬を断って毎朝採血検査をするだけでした。
(ただし入院後二日目ぐらいで黄疸が出始めていましたから、あのまま漢方薬を飲み続けていたらきっと死んでしまったのだと思います。入院中も元気いっぱいだったので点滴されることもなく、三食食べて気楽に過ごしていました)
入院中、休憩所で患者さん同士話すことがあったのですが、サプリメントが原因で入院しているケースは珍しくないらしく(2006年当時)驚いたことを覚えています。
サプリメントだからと気軽に考えてはいけないのだとその時初めて知りました。
診断名は「薬剤性肝機能障害」。(たぶん劇症肝炎に近い)
飲んでいた漢方薬のどの成分が数値を上げたのが大学病院で検査したのですが、結局解明できず、用心のため「あなたは今後漢方薬を飲んではいけません」と言われました。
毎朝の採血で、1日100ずつ数値が下がり続け、1週間半入院したところで、数値は800。
その時点で退院。
今回の小林製薬・紅麹のサプリメントの話は、自分が体験しているだけに他人事ではありません。
気軽にサプリメントを長期間飲んでいる方々は、かかりつけ医をもって念のため定期的に採血検査をしてもらうと良いと思います。
私の場合、主治医が異常に気づいてくださったので助かりました。
サプリメントや漢方薬は、通常のお薬との飲み合わせでも微妙に体に影響するとテレビで見たことがあります。
もちろん体に良いものもたくさんあると思いますが、私のように体質的に合わない人もまれにいるので、お医者様は患者が飲んでいるサプリメントをカルテに必ず記録していただけると早目に異常に気付けるのかなと思いました。
以上、きのうの小林製薬のニュースを見て、自分の経験を書いてみました。誰かのお役に立てれば幸いです。